B.B NEW YORKというブランドのモカシンシューズ。 底材がポリウレタンで造られた靴なのですが、底材が加水分解してしまっています。 加水分解については解説してくれているサイトが結構あるので、ここでは割愛させて頂きます。検索してみてください。 ポリウレタンの素材は、軽くてクッション性が良く磨耗にも強いので、靴底材としては「パーフェクト!」と思いがちですが、履く履かないに限らず、遅かれ早かれ加水分解という寿命がやってきます。 たまに道端で崩壊した靴底の破片を見かけることがあるのですが、加水分解を起こしたウレタンというパターンが多いですね。 修理屋でポリウレタンの素材は基本的に扱っていないので、ラバーかスポンジ素材で対応します。 もちろんご希望があれば革底にしてしまうこともできます。 今回使用したのは、タイヤメーカーとして名前が通っているミシュラン。 そこのトレックソールというソール。 「MICHELIN M12 XC」というタイヤをベースに設計されたそうです。 残念ながら車関係には詳しく無いので、深くは掘り下げることができないですが、グリップ力を高める突起分があり、異物(小石など)を詰まりにくく設計されています。
上:Before。下:After 修理前の底材の様にボロボロと崩れ落ちる様に崩壊してしまう状態が、加水分解した素材です。カカト部分が崩壊していまい、仕込まれたシャンク(鉄製の背骨のようなもの)が見えてしまっていますね。 ミシュランのトレックソールはやや粘り気のあるゴム質で、耐久力が期待できます。ウレタンに比べるとやや重たくなりますが、クッション性もあるので履き心地も良さそうです。
上:Before。下:After 横から見ると独特の模様が無くなってしまうので、ややスッキリとした印象でしょうか? ウレタン底の特徴として、アッパー(上の革)を包み込むような形状のものが多いのですが、その部分は革を当てミシン縫いをしています。 見た目、履き心地は変わりますが、底材の交換という事は可能です。 アッパーが元気なのに捨てるのはモッタイナイと思った時はご相談ください。 なお、こういったウレタン底の靴におこる加水分解という現象は、下駄箱や靴箱の中で大事に大事に保管されている靴に起こる事が多いです。 お客様からは「一回しか履いていない」や「結婚式で履こうと思って仕舞っておいた」といった事をよく聞きます。 ウレタン底か?それ以外の素材か?分からない事も多いかと思いますが、どの素材にしても風通しの悪く湿気が溜まりやすい場所で靴を保管していると、革がカビたり、ゴムが硬化したりとあまり良い事はありません。 ですので、靴は履いてあげましょう。 shoe repair ROOST (シューリペア ルースト) 愛知県名古屋市千種区四谷通2-8 YOU YOTSUYA 2F OPEN 11:00〜19:00 CLOCE 月曜日、第二火曜日 052-783-8355 MAIL shoerepair_roost@yahoo.co.jp HP http://www.roost.jp.net FB https://www.facebook.com/roost.shoerepair Instagram https://www.instagram.com/shoe_repair_roost/
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