jalan sriwijaya (ジャラン スリワァヤ) ラバーオールソール
- shoe repair ROOST
- 2021年1月15日
- 読了時間: 4分
■ラバーオールソール ダイナイトソール使用
13,500円(税込)
ジャランのストレートチップをダイナイトを使用してラバーオールソールです。
元はレザーのソールでしたが穴が空いてしまい、雨のシーンでも履く機会がある事や耐久性を求めた結果ラバーソールでのオールソールを選択。
そこでダイナイトと、それに似たパターンであるVibram2055で悩まれましたが、ジャランがオリジナルでも使用しているダイナイトに決定です。

本格靴界のコスパ部門では常に上位に食い込むほど人気のあるジャラン。
巷に多くある本格靴はグッドイヤーウェルテッド製法(以下グッドイヤー)というのもが主流です。
ですが、その源流はハンドソーンにあります。
ハンドソーンとはその名の通り人間の手作業によってウェルトという素材を縫い合せているという事。
その手間をオートメーション化させ効率を上げる為に編み出されたのがグッドイヤーです。
効率化され量産に特化した製法であるグッドイヤーを採用し、5万~20万の価格を付けているメーカーも数多くある中、ハンドソーンでこの価格ではその人気は頷けます。

ただ、やはりこれだけのコスパを叩き出す為には、それなりに目を瞑らなければならない事もあるのでしょう。
今までジャランの靴を扱って来て感じる事は幾つかあるのですが、修理屋的に目が行ってしまうのはレザーソールが少々弱いという事。
加えて、それを縫い合せてある糸も弱い。
相対的な観点なので比較点に何を持ってくるかで変わるとは思うのですが・・・弱い(笑
デメリットの部分も書いてしまいましたが、ジャランが元々持っているポテンシャルは高いです。
ジャランは一度ソール交換をする事で、やっと本格的に一人前に変貌する靴の様な気がします。
購入を検討されている方は、最低一度のオールソールまで考えて購入されると良いかと。
最近増えている拘りのある修理屋さんであれば、これより強いソールも持っていますし、アウトステッチもしっかりした糸を使って縫ってくれます。
きっとジャランの弱点をある程度補う修理をしてくれますよ。

ウエスト部分ですが、ジャランのレザーソールのモデルはこれより前部分が「ダシ縫い」というアウトステッチが掛けてあって、ウエスト以降はマッケイ縫いです。
他のメーカーでもたまにこういった仕様の靴は見るのですが、それはウエスト部分のコバの張り出しを極力抑え、よりドレッシーに見せようという努力からされていると推測しています。シェットランドフォックスなんかもやっていますね。
ですが、ジャランはそれほど絞り込みもせず、ウエストに充分な張り出しを持たせています。
見る度に「何でウエストまでダシ縫い掛けないんだろう?」とおもわず口に出して言ってしまうのですが、せっかく修理なので、この部分もダシ縫いを掛けます。
これで正当なハンドソーンウェルテッド製法へと昇華出来ました。

カカトもダイナイトリフト。
厚みが8mmあるので、しばらくは安心して履けるのではないでしょうか。

■ブランド紹介■
jalan sriwijaya (ジャラン スリワァヤ)
インドネシアで革靴の製造をしているジャラン・スリワヤ。
ジャランというブランドが誕生したのは2003年。こう書くと歴史は浅く思ってしまいがちですが、その前身は1919年創業のフォルトゥナ・シューズというファクトリーまで遡ります。
当時はオランダの植民地だったため、軍靴を主に生産していたようですが、戦後はサンダルやモカシンシューズ、デッキシューズなんかも生産していました。
現社長が代変わりの前にイングランドのノーザンプトンで紳士靴の修行をし、それを経て2003年に立ち上げたのがジャラン・スリワヤというブランドになります。
イギリスで修行したという現在のオーナーだけあり、フォルムはイングランドシューズ寄りのデザインが多いです。
ハンドソーン・ウェルテッド製法を採用し、アッパーの革もフランスのディプイやアノネイのものを使っているにも拘らず、抜群のコスパを誇っています。
有名セレクトショップや百貨店などにも置いてあり、比較的手に入れやすいのも嬉しいですね。
shoe repair ROOST (シューリペア ルースト)
愛知県名古屋市千種区四谷通2-8 YOU YOTSUYA 2F
OPEN 11:00~19:00
CLOCE 月曜日、火曜日
052-783-8355
Комментарии